苦しかったけど転職できました。

とてもブログを書けるような状況ではなかったのだけど、ようやく穏やかな生活を取り戻しつつあるので一応ご報告。
7月の終わり、現職の会社から遠回しに戦力外通告を受け(個人的な印象)、不本意なままで仕事をして精神的に病んでしまう前になんとしても行動を起こさなければと思い、この未曾有の大不況の中で3ヶ月ほど転職活動を行い、こりゃ詰みそうだ…と思っていた矢先に職種の希望も勤務地もマッチした会社に内定が出た。
活動を通していろいろ思うところがあったので、ここに記録しておこうと思う。

  • 現在の就職/転職市場の酷さについて

まず、有効求人倍率・失業率が過去最悪な数値となっていて、いわゆる氷河期よりも更に酷い状況。完全失業率が上がっているのはIT・電機・機械などの業種で正社員・派遣社員のリストラが進んでいて、スキル・経験・学歴・保有資格など求職者のバックグラウンドやスペックにかかわらず全ての人が壁にぶち当たっているという状況。ここで言う壁とは、景気の悪化によりいろいろな会社で解雇者が大量に発生しているのに対し人を求めている企業が少なくなっているので単純に全ての職種で需給のミスマッチが発生していること、また人を募っている企業でも一旦求人広告を出すと職種に関係なく数十〜数百人単位の応募者が殺到するため、人事の負荷を減らすため選考基準を引き上げ書類選考のハードルも高くなっていること。求職者が増加しているのに対し受け皿となる企業が少ない上に、資格・経験・スキル等がフルマッチに近くないと面接にたどり着くのも困難という状況。
あまり実感がない人も結構多い(特に不自由なく働いている人やお年寄り)と思うけど、実際転職しようと思って1〜2週間くらいいろいろな会社に応募すると、現実が相当厳しいことを実感してへこみます。

  • 転職活動の詳細について

僕の場合は転職情報サイト2社・転職エージェント2社に登録しつつ、自社サイトで求人情報を掲示している会社もくまなく探した。
転職エージェントは登録者のスキルや経験によっては利用を断られるケースもあるようだけど、希望にマッチした求人を随時紹介してくれたり、求職者と企業の間に立って面倒な交渉事を任せられるので、働きながら転職活動をしようと考えている人には強くオススメしたい。
最初は転職先の企業でやりたい事が漠然としていて、実際にそんなに都合の良い求人がぽんぽん出てくる訳でもないので、過去の経歴の延長線上にある職種を募集している会社に総当たり的に応募することになると思う。けど、面接や職務経歴書の改訂を重ねるうちに自分の強みややりたい事が明確になった。
応募総数65社のうち、面接までたどり着けたのが8社。最終的にエージェントを通して紹介を受けた会社が勤務地が近くて経験もマッチして、スムーズに内定が出た。
活動中は「vorkers」という、特定の企業・団体に在籍中の人・かつて在籍していた人が匿名で社風や活動などを評価出来るという、ある意味すごいサービスを展開しているサイトを良く見ていたのだけど、おおいに参考になった。
http://www.vorkers.com/
自分自身大企業指向ではなかったのだけど、活動中は誰もが知ってるような大企業もいくつか面接に行き、悪い意味で外と中の印象のギャップが激しかったりして、大企業の悲哀のようなものもすごく感じた。
それから、面接官がこちらが話す内容のメモをきちんと取ってくれる会社は好感が持てた。僕も面接中はあまり気にせずノートを広げてメモを取っていたんだけど、メモすら取らないところは議事録を記録しないで後でどうやって志望者を客観的に評価するんだよ、と単純に思った。ただでさえどこの企業にも志望者がまんべんなく殺到するようなご時世なのに。ものすごい買い手市場だけど、こんな時期だからこそ逆に自分なりの企業評価基準を持つのは大事だ。
あと就職・転職出来ない人の事を指して「これだからゆとり世代は」とか「大したスキルを身につけてこなかったのが悪い」とか、レッテル貼りや自己責任論を語ってしまう人がいるようだけど、現状は本当にハイスペックの人も職がなくて困っているので、やはり不況の影響と、形骸化した労働法や年功序列賃金など労働システムの問題が一番大きいと思う。
元々良い素質を持っていて、特定の職種で突然才能が開花する場合もままあるので、どんな人でも出来るだけ多くの企業や職種を経験する機会を得られる方向性に持っていけないだろうか。個人的には1つでも得意分野があって、その人の適性にフィットする職に就くことが出来れば多少ビジネスマナーやヒューマンスキルに難があっても仕事をこなすうちに自然に改善されるんじゃないかと。