去る者追わず、とは言うものの。

以前在籍していた会社で、時期をずらして4人が立て続けに退職したことがあった。最初に辞めたのは4人の中で一番の年長者。あとの3人はまだ20代半ばくらいの若い奴ら。

当時オレはその地域のIT企業がもれなく加入している協議会のような組織に縁あって出入りしていて、何気ない世間話の中で他社の状況などをよく聞かされていた。以前その4人もこの組織の仕事をしていたのでまぁ皆顔見知り。その時に彼らのその後の話を偶然耳にした。

「あー○○さん達ね、A社にみんな転職したみたいだよ」と。最初に辞めた年長者がやはり一番最初にA社に入ったが、次の就職先が決まっていない2人の話を聞きつけ「じゃうちに来いよ」と招き入れたらしい。残りのひとりは一旦別の会社に入ったが、やはり引き抜かれ。

オレの同僚だった頃から年長者が中心になり4人でお昼を食べに行ったり休日にしょっちゅう遊びに出かけていたようだし、自分自身も彼らとつるんで何回か一緒に遊んだことがあったけど、オレはそういう遊び仲間は社外で作る・同僚とは同じ会社に在籍している限り社内外で必要以上につるまないというスタンスの人間なので、あまり深くかかわることはなかった。

だからこそ、それを聞いたとき「あぁ…」と脱力した。若い3人は各々でもっと自分の力で苦労して転職先を見つけて欲しかった。このご時世に藁をもつかみたいという気持ちはわからなくもないけども。

そんな風に思ったと同時に、次に入った会社でも顔ぶれ同じで仲良しこよしという状況が気持ちわるいと思ったのも本音。4人で独立して新しい会社を興そう、というのならまだ応援したいが…こう思っちゃうのは嫉妬心なのかな、と悩んだ。

で、つい最近全く同じことが今の会社でもあって、それでまたげんなりしていたのでした。辞める理由はどうであれ温かく送り出してあげたい気持ちはあるけれど、正直なところあまりいい辞め方ではないな、と思った。