七転び八起き

実は年末年始に父親がガンであるということがわかり、詳しい病状や今後の治療方針がはっきりするまで結婚式や二人の新しい生活のための準備を一時先送りにしていた。
父が数年前に軽めの脳出血を患った時から、自分の両親がいつか居なくなってしまうかも…という事をはっきりと意識するようになり、実家の生活状況をときどき気にかけたり自分の生活の安定を図ることに苦心しつつ、いつかそういう日が来るだろう、その時は冷静になろうという事をある程度覚悟していたつもりだった。
しかし、自分が結婚をしようというタイミングで父の病気が判明し、このまま準備を進めるわけにはいかないと思い僅かな時間で大きな決断に迫られ、考えた末に式の予定を一旦延期したので、彼女やそのご両親に対して本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。順調に進んでいた物事がいきなり頓挫するって、どんな事情があるにせよかなり落ち込む…。
ありがたいことに彼女や彼女のご両親からはお見舞いの申し出などもあり、ものすごく気を遣ってもらってしまい精神的にかなり救われた。
正月が明けて、医者から病状説明があり食道がんのStage3〜Stage4の中間くらい、抗がん剤で叩いてがんを小さくして、放射線か根治手術を検討するということに。父の容態は飯をあまり食べられない以外は痛いとかどういう症状もなく、のんきにテレビを見たりしてベッドの上では一見健康そうに見えた。いわゆる余命ほにゃららヶ月という宣告はなく、まだ良くなる見込みはありそうだけど、病気が病気だけに深刻な状況に変わりないだろう。ちなみに父の弟にあたる叔父が、数年前に大腸がんで亡くなっている。
ひとまず父の病状がはっきりとわかり、父本人や家族、近しい親戚で「早く式をあげてしまおう」という見解が一致したので、今また準備を再開した。(わだかまりが残らない程度の)些細な不満を漏らしつつも式場側との交渉などをてきぱきとこなしてくれる彼女には本当に感謝している。オレの方は新居探しに奔走中。